行動・心理症状とその支援

       症状1

記憶障害などの「中核症状」がもとになり、
本人の性格や素質、周囲の環境や人間関係などが
影響して出現する症状を「行動、心理症状」と呼びます。

症状 元気がなく引っ込み思案に・・・

自信を失い、すべてが面倒になる。

・周囲が気が付く前よりも本人が何かおかしいと気づいている。

・テキパキできたことも手順が悪く、時間がかかり、上手にできない。

→料理の場合、

「美味しくない」「いつもと味が違う」等と言われ
 自信を無くす。
 出前や、出来合いの総菜で済ましてしまうことも多くなる。

→掃除、整理整頓の場合

片づけるつもりでも散らかって収集が付かない、
室内の物が散乱し、大事なものが見つからくなってしまう。

→気持ちの場合

意欲が湧かなくなり、うつ病と間違えられる。
周囲からだらしなくなったと思われることもあります。

・すべてが面倒で以前は楽しんでいた趣味なども
 興味が湧かないという状態が出てくる。

将来に希望が持てなくなりうつ状態になることも・・・

能力の低下を自覚して、自ら認知症について調べてみたり
もしかして認知症では?と疑い→うつ状態になってしまうことも

→そんな時は自信を無くすような言葉を避け、本人の尊厳を
守ってあげるようなサポートをすることが重要です。

・身の回りのことをやってもらうことは大切ですが
 出来たはずのことが出来なくなるという体験は
 本人が自信を無くしてしまうことになります。

→さりげなく手助けをして成功体験に結びつけるような
 支援をしていくことが重要です。

       症状2  

認知症が進行すると身の回りの動作に支障が出てきます。

入浴、更衣、排泄、食事など
基本的な生活動作に援助が必要となります。

排泄の失敗は本人にとっても非常にショックな
出来事です。

①トイレの場所が分からなくなる
       
場所の見当識障害。最初は夜間だけだったものが
日中も分からなくなります。

→トイレの場所を分かりやすいように
扉に「トイレ」の表示をつけておいたり
間違いやすい場所のドアを隠す。

夜間は廊下の明かりを付けておいたり、
トイレの明かりをつけたまま扉を開けておく
等の対応が考えられます。

人感センサー付きの照明などを廊下や
トイレなどに設置しておくのもよい方法です。

②衣類の着脱に手間取り下着を汚してしまう。
       
運動障害なども伴う認知症の場合は
脱ぎ着しやすく着慣れている服を身に着けるようにしましょう。

③身体的な原因(前立腺肥大、膀胱炎など)で
尿意や便意を感じにくくなり、失敗してしまう。

       
→排尿や排便の間隔を観察してタイミングを見計らい
「そろそろトイレに行きませんか?」と声掛けし
トイレに誘導する。

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